介護保険制度は、介護を必要としている高齢者が自分のできることは自分で行う自立支援を目的としている。加えて、自宅で介護する家族の心身負担を減らすことも目指している法律だ。介護する人が偏らず、社会全体でサポートすることを目的として設立された保険制度となる。国民の誰もが、40歳以上になると、介護保険に加入し、保険料を支払うことになっており、各自治体は税金および、支払われた保険料でこの制度を運営している。

しかし、近年では高齢化が急激に進むことにより、介護にかかる費用も年々増加している。介護保険制度が創られた当時に比べると、介護給付費の合計がおよそ3倍にも増加してしまったという現状があるのだ。さらに、2025年には、75歳以上の高齢者が急激な増加を迎える。一方で介護保険料の負担者である40歳以上被保険者は、減少の一途であることがわかっている。介護ニーズがこのまま増え続けると予測されるため、財源をいかに確保するかが大きな課題だ。

また、介護ニーズの高まりを受けて、介護現場で働く介護者の労働力不足も危ぶまれてきている。極端な少子高齢化により、介護需要は増え続け、それを提供する若年層の人口は激減している。労働力不足に対しての解決策も同時に行っていく必要があるのだ。まず、労働環境を整え、働きやすい職場の確保や積極的に外国人を採用し、教育していく。また、年代を問わず健康に自信があり、介護の仕事に興味のある人材の登用が必須といえるだろう。